作者自身の頭の整理のためのメモです。その時々の思いを綴っていきますので、過去記事と内容の重なりがあるかも知れません。(リンク・フリーです。) Photos in the articles: Courtesy of Tarisio Auctions
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楽器の手入れについて

今回は、いつもの話題とはちょっと毛色の違う話です。

楽器の手入れというのは、要するに、自分がその楽器を手に入れた時の状態に出来るだけ近い状態を保つために普段何をすればよいか、ということですね。

したがって、楽器をケースに戻すときに汚れを落とすことが基本になります。汚れとは、汗、手垢、松脂、ホコリといったところでしょうか。通常、乾拭きをすることでこれらはすべてとることができますね。拭くときに使うものは、ニスを傷つけないような素材のものである必要がありますし、力を入れてゴシゴシ拭くのではなく、楽器の表面を軽くなでるように拭きます。

汗については、そもそも楽器を弾いているときに楽器の接着部分が汗で濡れることを出来るだけ避けるようにします。楽器を構えるときに顎当ての辺りに布を当てるのは、そのための一つの方法ですね。ただ、布のせいで楽器が滑らないように、布の材質を選ぶ必要があります。ちなみに、私はセーム革を使っています。楽器を弾いた後は、手が触れたところはすべて拭くようにして、汗と手垢(油分)を取り除くようにします。そのときに、布が駒に引っかかって、駒を倒すことがないように気をつけます。

松脂については、弾くたびにきちんと拭き取るようにすれば、普通は乾拭きできれいになりますね。ただ、駒のそばにあまり沢山の松脂の粉が飛び散っているような場合は、そもそも弓の毛に松脂をつけすぎていないかチェックすることが必要ですね。それから、弓のスティックにも松脂はつきますから、これも拭き取っておく方がよいでしょう。さらに、時々でよいでしょうが、f字孔を綿棒で軽く触るようにすると、ここについた松脂も簡単に取れますね。

ホコリがたまりやすいのは、顎当てやテールピースの下、指板の下、糸巻箱の中ですが、ごくたまに布や綿棒を使ってこれらの箇所を触るようにすれば、これは簡単に取れます。まあ、ホコリについては、それほど神経質になる必要はないと思いますが。楽器の中を掃除することも、考えられないではないですが、私はやっていません。(ホコリをとるという意味では、10年に1度もやれば十分過ぎるくらいではないでしょうか。(笑))

ところで、楽器を拭くときにクリーナー(液体)を使うかどうかですが、通常、クリーナーには研磨剤が入っており、ニスを削る作用があることに留意すべきですね。それで、もし使う場合でもごく少量にとどめるべきだと言われています。また、過去に修理を行った箇所にクリーナーが滲み込むと、将来、その部分のニカワが弱くなって張り直す必要が生じたときに、ニカワの付きが悪くなるということもあるようです。そこで、クリーナーを使うような掃除は楽器屋さんに任せた方が無難だと思います。

さて、ここまでは「後からついたものを取り除く」というお話ですが、これ以外にもいくつか気をつけるポイントがありますね。

まず、楽器の弦を練習の度にゆるめるかどうかですが、特に古い楽器で表板にかかる張力を時々リリースしてやる必要がある場合を除いては、通常は必要ないと言われていますね。弦を張りっぱなしにしても、それがために楽器が壊れるということはないと思います。(楽器を高温多湿のところに放置すれば別でしょうが。)

次に、弓の毛を緩めることについてですが、弓のスティックの寿命をのばすためにも、毛は完全に緩めるのがよいと、私は思っています。通常、これは目で見ながら緩めれば簡単に出来ることですが、湿度が高いと毛が伸び、低いと毛が縮むので、このために弛め切ったはずの弓が、次にケースを開けたときには何故か緩み切っていない、ということが起こり得ますので、出来るだけ余裕を持って緩めておくのがよいと思います。弓の毛を張り替えたときに弓の毛が短めになると、ネジを完全にゆるめても毛が多少張った状態になってしまうことがありますので、毛替えのときに毛の長さを指定するか、完全に緩められるような長さにするようにお願いするとよいでしょう。

それから、糸巻がスムーズに回るようにするための調整ということもありますが、これは弦を張り替えるときに、ヒルのスティックと呼ばれるクレヨンのようなものを、糸巻きと糸巻箱が当たるところにごく軽く塗ってやるようにすれば、簡単に解決すると思います。塗りすぎると逆効果ですので、楽器屋さんに任せた方がいいという方もいると思います。

さらに、駒がきちんと立っているかを常に確認することも大切ですね。弦を張ったり調弦したりすることで、通常、駒は指板寄りに反りやすいものですので、テールピース側の面と表板の作る角度が直角になっているかどうかを、普段からチェックしておく習慣をつけると良いですね。放置しておくと、駒自体がそういう向きに変形したり、極端な場合では、弾いているときや調弦しているときに駒が倒れてしまうことがあります。ただし、この直角を維持するために駒を触る作業は、かなりデリケートなので、慣れないと駒を倒してしまう恐れがあるので、これも楽器屋さんに任せるのも一案ですね。

E線のハイポジが押さえにくくなったと思うときは、ネックが落ちていないか(=弦の張力でネックが反ってしまっていないか)を確認する必要がありますが、これは楽器屋さんにチェックしてもらわないとハッキリしないと思いますね。(逆に、駒が高すぎる場合もありますので。)

大体こんなところでしょうか。長年バイオリンを弾いていると、こういうことは習慣になってきて、特にいちいち考えなくても一通り注意が向くとか手が動くとかいう「境地」に達すると思います。
by violink | 2004-09-30 06:54 | Instruments
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