作者自身の頭の整理のためのメモです。その時々の思いを綴っていきますので、過去記事と内容の重なりがあるかも知れません。(リンク・フリーです。) Photos in the articles: Courtesy of Tarisio Auctions
by violink
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移弦という技術

バイオリンの4本の弦を弾き分けるためには、移弦の技術が必要ですね。特に、重音では、2本の弦を同時に弾くというだけでなく、その音量のバランスも関係してきますので、重音から重音への移弦は、単音から単音への移弦に比べて、格段に難しいものです。

逆に、例えば、D線からA線へというような、隣り合った弦の間での移弦では、右腕の動きもシンプルなものですので、普段、あまり意識することなく、なんとなくやっているということも多いと思います。しかし、こういうシンプルな移弦こそが、より複雑な移弦の基礎になるものですので、シンプルな移弦をきちんとマスターすることが重要ですね。

移弦をするときの右腕の動きは、(1)弦の上で弓を止めて弓の角度だけを変える、という動きと、(2)移弦の際に弓を返す動きを伴うものと伴わないもの、という2つの動きに分解することができますね。移弦の練習をするときは、(2)を取り除いて、(1)だけを取り出して行う、つまり、弓先、弓中、弓元で弓の角度だけを変える、という練習をした上で、(2)を組み合わせるのが効果的だと思います。もちろん、この練習を行う前に、同じ弦の上を弓元から弓先まで弾く、普通のボーイングの技術が身についていることが重要です。

さて、(1)の練習をする際に最も大切なことは何でしょうか。腕の形でしょうか、肘の高さでしょうか。実は、そういう外見よりも、弓を通じて右手に伝わる「弦を捉えた感触」が、移弦の前後で変わらないようにすることが重要です。そのように移弦を行おうとすれば、おのずから、腕の形や肘の高さも決まってくるものだと思います。このような右手の感触は、とても疎かになりやすいものですが、逆に、この感触が分かるようになれば、その感触に神経を集中することによって、移弦が上手くできたのかどうかを、容易に自己判定できるようになります。

この感触に気を付けるようにすれば、例えば、重音から重音への移弦の場合には、最初の重音をよいバランスで弾ける弓の角度になっているか、次の重音についてはどうか、ということを自己判定する助けにもなります。

先が重い弓を使っている場合は、弓元で弓の角度を変えるのは少々苦しいと思います。そのような場合は、敢えて多少弓先よりのところで練習するようにするのがよいでしょう。

要は、右手の感触(=右手の指が弓に接触するところからくる感触)を通じて、弦と弓との接点に神経を集中するということですね。このように神経を集中させると、不思議と弓が移弦でバタつかなくもなります。一朝一夕に成果が出るものではありませんが、普段から意識して練習して行けば、きっと、移弦の技術を向上させることができると思いますね。
by violink | 2013-11-06 23:01 | Bowing
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