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弓の返しを上手くやるには
弓をアップからダウンに返すとか、その逆とかの瞬間は、どうしても音が途切れがちですね。もっとも、弓先での返しは、弓元での返しに比べると、スムーズに行くことが多いかも知れません。
でも、弓の返しでは、雑音が出ないということでは十分じゃないんですね。ここが難しいところだと思います。弓を返す前と後とで、音がつながって行くことが必要です。そのためには、弓の返す瞬間に、弓が弦の振動を出来るだけ止めないようにしてやる必要があるわけですね。 プロの演奏家のボーイングを少し注意深く見てみると、弓を返す瞬間に右手の指がちょっと動いたりすることに気がつくでしょう。それで、自分でもそれを真似てみるわけですが、上手く行かないことの方が多いのではないかと思います。 それは、弓を返す瞬間に右手の指を動かすことで、余計な動きが生まれてしまうからだと思います。確かに、右手がちょっと動くことは動くのですが、それは、わざわざ動かすのではなく、弓の動きについていくという感覚が大切だと思いますね。 弓を返す瞬間に弾く向きが正反対になるわけですが、その瞬間に弓はどうしても一瞬止まります。したがって、どんなに頑張っても、弓を返す直前で弓のスピードが落ち、弓を返した直後に弓のスピードが上がる、ということは避けられないんですね。 そのときに、できるだけ短時間でゆるやかに弓のスピードの向きを正反対にしてやることが大切なんですね。弓を弾いている方向に一瞬、「慣性の法則」が働いて、右腕は返しているのに弓はそのまま進む、その動きに右手の指が付いていくという感覚が分かってくると、弓の返しは余り大きくは失敗しないようになってくると思いますね。
by violink
| 2004-04-27 00:17
| Bowing
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