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聴くことと弾くことのギャップ
自分では表現しているつもりになっていても、聴いている側からはそれほどには聞えないとか、録音を後で自分で聴いて、思ったほど表現できていないと感じることがあります。何かが足りないことは分かるのですが、何をどの程度やれば、表現としてきちんと聴かせることができるのか、という方向からアプローチしないと、自分の表現力を高めることにはつながらないと思います。
さて、語学学習でシャドーイングという方法があります。これは、自分が聴いているお手本に重ねて自分も声を出していく方法で、お手本のスピードや抑揚に完全に自分を合わせる訓練です。それによって、最終的にどのような話し方ができるようになればよいのか、常に意識するようになります。それに自分を近づけていくというアプローチですね。 バイオリンの場合にもこれを応用してみます。自分の目指したいと思う表現をしている演奏のCDに合わせて自分も弾いてみるのです。そうすると、テンポやルバートの具合が、自分が聴いているのと弾いているのとでは、全く違う感覚であることに気がつきます。相当意識的にやらないと、自分が思っているようには聞えないものです。細かい動きの音符をしっかり弾く、という点でも、この方法によって学べることはあると思います。 大切なことは、この方法はあくまで感覚をつかむきっかけを与えてくれるだけですので、一度か二度やればよいです。CDと同じ演奏ができるように、、、という発想ではなく、聴くのと弾くのとでは大違いであることを感じ取るきっかけとして役に立つということです。 ただ、もちろん申し上げるまでもなく、このアプローチの前に、インテンポできちんと弾けることがテクニックという意味では大前提だと思います。土台がしっかりしていないと、味付けは上手くできません。
by violink
| 2005-08-07 09:44
| Practise
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