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テンポの表情
演奏が生き生きとしたものになっているとき、大抵はテンポ自体が一定の枠の中で自由自在に変化していますね。これは、テンポが伸縮しているというのではなく、流れとしてはインテンポであっても、その中でメリハリがついているということだと思います。
そのメリハリがメリハリとして聞こえるためには、テンポをどう動かしているのか、ということについて自分なりの考え方がしっかりしている必要があるのだと思います。 ここでいうテンポの変化を直感的に感じるには、本当にインテンポ(=メトロノームのような正確さ)で演奏されたものと比較するに限ります。なかなかそういう録音を聴くことはないものですが、一様なテンポで演奏すると非常に退屈な雰囲気になるものです。 逆に言えば、音型の方にテンポの作り方のヒントがあるのだと思います。自分の好きな曲を、自分の頭の中で完全に近いインテンポで「演奏」してみて、その後で、もう少し自然な流れに雰囲気を変えて「演奏」してみると、それらの間にはテンポ設定という点だけをとってみても、相当な違いがあることに気が付くと思います。 この作業は推敲の積み重ねの作業で、「ちょっと間延びしているな」とか「ちょっとせっかちだな」とか感じながら、テンポの「微調整」をする中で、自分なりにピタッとくるテンポの感じがみえてくると思います。そこまで行ってから、自分がどんなテンポ設定をしたのか、と振り返ってみると、逆にそこから自分がテンポを揺らすことで表現しようとしたものがはっきりみえたりもします。 自分の演奏を聴く相手に、そのようなテンポ変化の意図まで伝えようとするのであれば、こういう意識化の作業は避けて通れないと思いますね。
by violink
| 2005-09-30 21:02
| Tempo
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