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聴覚の「あや」について
例えば、NHKのアナウンサーが普段私たちが話すときのような発音でニュースを読み上げたら、どう聞こえると思いますか?(NHKの「のど自慢」などで、合格の人とアナウンサーの人との短いやりとりなどを想像してみましょう。)発音があいまいで聞き取りにくかったりします。
自分が思っているようには、相手には聞こえないということなんでしょうね。そこで、NHKのアナウンサーは発音を少し誇張しているわけですね。こういうことは、音に関わる世界であれば、言葉であれ音楽であれ言えることだと思いますね。 音楽の表現も、自分でつけたはずの表現が、人には認識されなかったり、後で自分で録音を聞いてみても聞き取れなかったり、ということがありますね。NHKのアナウンサーではありませんが、多少の誇張を行う必要があるのだと思います。 例えば、クレッシェンドやディミヌエンドは、音量を均等に上げたり下げたりしても、さほどインパクトがないですよね。クレッシェンドであれば、最初は徐々に後に行くにしたがって大きくした方が効果的です。ディミヌエンドは、最初に大きく落として後は徐々に小さくする方が効果的ですね。 同じようなことは、ルバートの中でのリズムの取扱いについても言えますね。付点のリズムは3:1ですが、これをルバートして遅くするときには、後の方が1拍が長くなってきますから、普通にやっていると2.8:1.2というように、3:1よりもリズムが甘くなっているように聞こえます。したがって、気持ちとしては3.2:0.8くらいでやったりする必要があるんですね。 まあ、この辺のことは純粋に演奏効果の話なので、本番前の仕上げ段階で一度確認しておけばよいことだと思います。(もっと大切なことは山ほどありますよね。)
by violink
| 2004-09-06 00:29
| Expression
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