作者自身の頭の整理のためのメモです。その時々の思いを綴っていきますので、過去記事と内容の重なりがあるかも知れません。(リンク・フリーです。) Photos in the articles: Courtesy of Tarisio Auctions
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カテゴリ:Practise( 36 )

ゆっくり練習するコツ

弾けない箇所をゆっくりしたテンポで練習する、ということは、誰もが考えることなのですが、ゆっくり練習するときのコツを押さえておかないと、練習する意味がなくなってしまいますね。コツとは、テンポを落とすと、音の動きは遅くなり、音の長さは長くなりますが、それ以外の動きはインテンポと同じ速さでやることです。

例外は、ヴィブラートの練習や一弓連続スタッカートのように、手の動き自体をマスターするための練習で、こういう練習では、スローモーションのような感覚で、すべての動きをゆっくりさせて練習する意味があると思います。

逆に、楽譜を前にして、ゆっくりしたテンポから練習するというときは、スローモーションになっては練習の効果が上がりません。例えば、音の立上りの弓の動かし方とか、左手の指を指板に下ろす速さとか、シフティングのスピードとか、そういうものは、ゆっくりしたテンポであっても、インテンポと同じ素早い動きで練習することが大切だと思います。

要は、ゆっくり練習するというのは、いろいろなところに目配りをする余裕を持つためにやるのですね。弾けないところを弾けるようにするための練習は、それ以前の段階の話で、パーツ毎に分解して、スローモーションのようなこともやりながら、その動き自体を体に馴染ませるということだと思います。

ですので、テンポを徐々に上げていくというのは、いちいち目配りしなくても弾ける部分を増やして行くというか、このテンポならこの程度目配りをすれば弾ける、ということを、テンポを上げながら確認していくプロセスだと考えています。
by violink | 2007-08-18 13:00 | Practise

パガニーニのカプリス1番(右手編)

さて、いよいよ右手編です。(とは言っても、左手編が終了したわけではありません。もうお気づきかも知れませんが、左手編も日々(?)拡充しているところです。)

最初のアルペジオを上手く弾くためには、まず、弓をどの位置で弾ませるか、そして、最初の弾き出しのところは、どのくらいの高さから弓を弦に落とすか、という単純なことから始めます。左手は必要ないので、開放弦か最初の音型にでも決めて、ひたすら右手の「実験」に集中します。何回やっても同じ動きが出来るようになることがポイントです。

ちなみに、弓を弦に落とす動きは、この冒頭のところだけでなく、このアルペジオが戻ってくるところ全て必要になってきます。ただし、そのための準備に使える時間の長さは場所によってマチマチなので、冒頭が弾けたからといって他の箇所が弾けるわけではありません。そこで、冒頭の練習でも、この準備をできるだけ素早くやるように心がけてみます。もちろん、実際の演奏ではそんなに素早くやる必要はありません。

また、アルペジオを弾くときには、弾くスピードと重視する音の違いによって、肘の位置を変えることが考えられます。普段の練習では、音程や弓を弾ませることに注意が向かいがちですが、肘の位置をいろいろ工夫すると、4音のバランスが変わってくるので、いろいろ試行錯誤してみるとよいのではないかと思います。

アルペジオを弾くときの肘の位置は、①メロディーラインがある場合は、メロディーを弾いている弦に合わせて、②メロディーラインがない場合は、4弦にまたがるアルペジオであればAD線の重音を弾くときに合わせて決めるのが基本だと思います。ただし、この曲の場合はどうでしょうか? 僕は、今のところ、A線かAE線の重音を弾く位置でやっています。弓を弾ませるときの初動はG線で弾き返すところで生まれるのですが、これがやりやすいということと、アルペジオに続く動きがE線上の音型であるというのが、その理由です。



(つづく ←これも、永遠に「つづく」のままだと思います。(笑))
by violink | 2007-03-06 06:34 | Practise

パガニーニのカプリス1番(左手編)

パガニーニのカプリスと言えば、超絶技巧の24曲で、アマチュアの手に負える代物ではない、という見方も当然あるわけですが、そこはアマチュアの特権で、敢えて挑戦してみることにしました。挑戦するからには、上手く仕上げたい。。。

どんな曲でもそうですが、まずは左手の問題と右手の問題に分離して練習することを考えます。特に、カプリスのように、右手・左手の両方に困難な要素がある作品では、なおさらだと思います。

また、曲全体を一気にさらっていくのではなく、求められているテクニックの違いに応じて、いくつかのパーツに小分けにして練習をしていくようにします。この作品の場合は、概ね、次のように分けてみます。(数字は小節番号です。)

1-14前半、14後半-16前半、16後半-23、24-26、<27-37>、38-43、44-50前半、50後半-52前半、(52後半-59)、(60-67)、68-76

( )で括ったパーツは、まずは重音を除いた箇所を練習し、逆に、< >で括ったパーツは、重音の箇所だけを取り出して練習するようにします。これが、練習を始めるに当たっての基本方針です。

まずは左手の練習を優先することにして、弓を持たずに弦を弾(はじ)きながら、フィンガリングが簡単に決まるところと、悩むところの振り分けをします。悩むところは、実際に楽器を構えて弾いてみて、いろいろな指使いの中から一番自然なものを、とりあえず採用します。

こうしてフィンガリングを決めるときには、細かい音程の違いは気にせずにやります。フィンガリングを決めてから、パーツ毎に右手を付けて練習します。そのとき、右手の弾き方はできるだけシンプルにし、神経が左手に集中するように、そして、音程に集中するようにします。

この段階で、音程が上手く取れないところは、必要に応じて、補助練習を併用します。上手く行かない理由(指が伸びきらない、指が他の指の動きにつられるなど)を見極めて、それを取り除くためのトレーニングを併用します。

左手の練習ではヴィブラートはかけず、ポジション移動のところは常にガイディング・フィンガーを意識して練習します。ただし、ガイディング・フィンガーを使用することでポジション移動中の音が聞こえることを最小限にするため、できるだけ脱力して、移動を素早くやるように心がけます。

このような練習を、最初に決めたパーツ毎にやっていくことで、左手の問題は解決していきます。特にこの作品は、音楽的な表現を考えるよりも、全ての音をクリアに出すことがポイントなので、ヴィブラートの研究を行う余地はあまりなく、その点は楽だとも言えますね。

ところで、最初のアルペジオについて、いくつか補足。

まず、アルペジオの音程は、基本的に旋律の音程ではなく和音の音程であるべきなので、4つの音の塊を2+2+2に分けて重音として練習するのが効果的ですね。弓を飛ばす練習は後にします。

それから、2つ目のアルペジオ、Dis-Fis-H-Fisですが、これは指が苦しい音程です。3本の指を拡張しないと音程がとれません。こういう場合は、3本の指を常に指板の上にキープするのではなくて、うち1本は浮かせてとか、多少、重心の傾け方を工夫すると、格段に弾きやすくなったりしますね。

もう一つ、5小節目などに出てくる4(32分♪)+2(16分♪)の動きで、後の2つの音のフィンガリングですが、最初の例で言えば、直前のA(3)を弾いてから、素早く(1)で取り直して(=ガイディングフィンガーとして)、Cis(3)+E(4)というようにやると、かなり弾きやすく感じます。これのいいところはポジション移動する距離が短くて済むことです。もちろん、(1)は音として聞こえてはダメで、頭の中で音を出したフリをしてやることが大切です。

次に、下行の重音の練習について。

29小節目以降に時々出てくる下行の重音は、24の音程には注意が向きやすいですが、13の音程は疎かになりやすいです。また、左手の動きとしても13をベースに24が取れる方が楽です。そこで、単純に下行で練習するのではなく、13-24の組合せで重音2個単位で弾きながら下りてくるように練習するのがよいと思いました。

こういう箇所は漫然と繰り返しても上手くいくはずはなく、まず、出来ていない!ということを自分自身に見せ付けるために、右手はスラーにして、ひたすら左手に注目してみます。すると、重音を弾く2本の指の動きにズレがあって、指板に同時に下りていないことがよく分かります。まずはスラーできちんと重音のつながりが聞こえるようになることが先決です。

(つづく ←永遠に「つづく」のままだと思います。(笑))
by violink | 2007-03-01 19:58 | Practise

聴けるテンポでの練習

こういう言い方はよくされるのですが、ここでは少し違う意味のことを書こうとしています。

普通、「聴ける」というのは、楽譜通りに弾けているか聴ける、ということで、音程、リズム、テンポなどなど、いわば、楽譜上の情報を正しく音に置き換えられているか、という観点から「聴けるかどうか」に注目しています。

これは、WHATの世界であるのに対し、HOWの世界に目を向けてみたいと思います。

HOWとは、ここでは、音の役割ということです。最も分かりやすいところではメロディーと伴奏、更に踏み込めば和声同士の関係、装飾的な音とコアである音、などといった捉え方ができると思います。残念ながら、音の役割については、楽譜の中には明示されていません。それだけ、音符の並び方をみれば自明ということなのでしょうが、WHATの練習では、なかなかそこまで辿り着かないものです。

このように、WHATの練習に比べ、HOWの練習は、はるかに複雑なので、処理すべき情報量、こなすべき思考プロセスが増大すると思います。尤も、これには慣れの面もあるので、慣れてくれば時間をかけずにできるのかも知れません。

また、聴けるテンポという点でも、WHATの練習よりもHOWの練習の方が、ゆっくりしたテンポでやる必要があります。希代の伝説的なピアニストである田中希代子さんという方は、弾いた音が消える瞬間まで聞き届けることを生徒に求めた、という話もあります。

行き届いた演奏を目指す人にとっては、そういうHOWの練習が不可欠なのだろうなと、最近は何かにつけて感じるようになりました。それだけ、優れた演奏に接する機会が増えたということかも知れません。
by violink | 2006-03-02 06:38 | Practise

多重の動きへの慣れ

バイオリンは基本的には単音楽器で伴奏付で演奏されることが多く、伴奏はピアノなりオケなり、自分以外の人が担当するので、どうしても、自分のパートだけに注意が向きがちになりますね。

これがピアノではそうは行かず、右手と左手で複数のパート(場合によっては5パートとか。)を弾き分けていたりしますので、ピアノ弾きの頭の中では、それだけのパートが同時発音する場合も含めて、音情報が処理されているのでしょうね。

この違いが、長年の楽器のトレーニングの中で、音楽を捉えるセンサーの感度という点で、大きな差になっていくような気がしています。バイオリン弾きの場合は、恰も自分が3本手を持っていて、右手でバイオリンのメロディーを、中手と左手で伴奏を同時に意識する、というような感覚を持ちながらやっていかないと、永遠にピアノ弾きのセンサーには太刀打ちできないと思います。

デジタルピアノの同時発音数の性能の違いみたいなものでしょうかね。

自分が知っているピアノ曲の楽譜をみながら、頭の中で実際の音を鳴らしていくというトレーニングは、バイオリン弾きがそういう感覚を養うためにとても有益だと思っています。

話は飛びますが、そういう目でショパンの舟歌の楽譜を眺めたりすると、聴いているだけでは分からない規則性のようなものがみえたりします。革命のエチュードの右手の下行音型もそうですね。面白いものですね。
by violink | 2006-03-01 06:37 | Practise

ダブルトリルの練習

ダブルトリルの練習をするときにネックになるのは、例えば、1-3と2-4のトリルであれば、中指と小指を同時に上げ下げすることですね。これはメカニックに関する問題であり、いろいろなトレーニング方法があると思います。

そういうオーソドックスなトレーニングをまずきちんとやるというのが前提です。

その上で、今回は視点を変えてみます。というのは、トレーニングによって、ある程度、これらの指の独立性が確保できるようになるとは言え、手の構造上、完全に独立した状態にはならないからです。

したがって、ある程度、独立性を鍛えるトレーニングをしたら、今度は、1の指を指板に置き、2、3、4の指で一度にトリルの練習をしてみます。音は出さずに、全ての指が同じタイミングで指板に落ちることだけを確認しながらやります。その動きを続けながら、3の指だけを最小限の力で弦を押さえるようにします。すると、動きとしては、3本の指でトリルをしている動きでありながら、1、3の指は指板にあるので、実際には、ダブルトリルと同じ動きになりますね。

これは、いわば発想の転換であり、また、薬指に余計な力を入れないための暗示でもあります。無理に、2、4の指だけを動かそうとすると、却って薬指に力が入ってしまうことがあるんですね。このことに対処するためのアプローチです。

0-2、1-3のダブルトリルについても、同様のことが言えると思います。

ところで、指同士の独立性を高めるためには、その動きに関与する指全部を使って、ありとあらゆる組合せのヴァリエーションを練習するということも有益です。これについては、別の機会に書いてみようと思います。

今回の話は、理解の仕方を変えるだけのことなのですが、それで、格段に弾きやすくなる場合がありますので、いろいろ工夫のしがいがありますね。
by violink | 2006-02-27 18:19 | Practise

漫然とした練習との決別

漫然と練習をしても上手くならない、と言われますが、では、どのように練習すればよいか。その答は、自分の弾けないところが弾けるようになるように練習する、ということに尽きますね。では、どうすれば弾けないところが弾けるようになるのか。

まず、どのような状態になれば弾けているといえるのか、そのイメージを明確に持つ必要がありますね。そして、自分の現在の状態がその弾けているイメージと比べてどうなのか、を把握する必要があります。このイメージをきちんと持つことができれば、次は、極めてゆっくりしたテンポであれば弾けるのかどうかをチェックすることになります。

それでも弾けないとなれば、それは基本的なメカニックができていないので、まずはそのメカニックを鍛える必要がありますね。そのためにはエチュードというものが役に立つことがあります。使い方次第ですね。エチュードとは、これが弾ければメカニックとしてはそれなりの曲が弾ける、ということを示すテストのようなものだと、僕は考えています。

言い換えれば、エチュードを練習するための方法がきちんとしている必要があって、それは、結局は上に書いたようなことになってくるのだと思います。基本的なメカニックをゼロから身につけるには、やはりきちんとしたレッスンを受けるのが本来だと思います。

さて、基本的なメカニックができていれば、次は、自分が弾けるテンポを見つけ、インテンポに向けて徐々にテンポを上げていくことになりますね。そのときに、あのテンポでは弾けるのにこのテンポでは上手くいかない、ということに必ず遭遇します。そこで立ち止まって、何が上手く行っていないのかを確認することが大切ですね。次は、その上手くいっていないポイントだけを練習するわけです。

こうしてテンポを上げていくと、インテンポで弾けるという状態にたどり着きますね。さて、ここで練習が終わりかというと、そうではなくて、今度は、同じことが何度でもできるかどうか、安定的に弾けるかどうかということになってきます。安定的に弾くためには、繰り返し弾いて体に馴染ませるしかありません。逆に、体に馴染ませないと、右手と左手の両方に注意が向きにくくなるので、動きがバラバラになってしまいます。

いろいろ書きましたが、僕自身、練習の仕方は未だに模索中です。限られた時間の中でどれだけの効果をあげるか、という現実的な課題があります。しかし、上に書いた手順は基本的にはこのとおり辿るしかないと考えています。その中で、自分の演奏の問題点なり、その解決法なりについて、引き出しの数が増えるほど、練習も効率的にできるようになるように思いますね。
by violink | 2006-02-27 12:56 | Practise

本から学ぶこと

バイオリンの奏法について書かれた本は結構ありますが、さらに音楽作りまで踏み込んで書いたものには、僕自身は、ほとんどお目にかかったことがありません。皆さんは如何でしょうか?

ソロ用の楽譜の中には、プロの演奏家の注釈付きのものもありますが、これも、その曲のその箇所をどう弾くか、という具体的なアドバイスで、これはこれで大変役に立つのですが、一方で、何故そうするのかについては、自分で理解を深めていくしかないと思います。

ところが、ピアノ関連の書籍となると事情は一変し、奏法から音作り、響き作り、音楽作りまで書かれた本が結構あるようです。やはり、ピアノはピアノだけで音楽作りが完結する作品が大半であるのに対し、バイオリンの場合は、無伴奏の作品は例外として、大半の作品は伴奏なり合奏なりの形になって初めて音楽が完結する、ということと関係があるのでしょうか。

いずれにせよ、楽器の違いはあるので、メカニックに関する話は直接参考にはなりませんが、音楽作りに関する話は結構参考になると感じています。僕なりに掴めたことを、いずれ、このブログでも書き込んでいこうかと思っています。
by violink | 2006-02-24 08:15 | Practise

行き届かない演奏について

行き届いている、という表現がありますね。痒いところに手が届く、という表現もあります。いずれも、大雑把にしていては見逃すこと、たどり着かないところにきちんと気配りができているとか、手当てがされているとか、そのような意味だと思います。

演奏ということに関しても、行き届いている、痒いところに手が届いている、という感覚があると、僕は感じています。最近のケースですと、バイオリンではないのですが、ショパンのワルツ集の演奏です。有名な曲が多いので、ご存知の方も多いと思いますが、このワルツ集では、ピアノの右手か左手のどちらかがメロディー、どちらかが伴奏(ワルツの3拍子)というように、例外なく役割分担がされています。

ワルツなので、この3拍子が大切で、しかも気品のある表情を持たせるには、この3拍子の伴奏型をどう流していくかがポイント、つまり、メロディーが何をやってもこの3拍子の弾き方如何で引き立ちもすれば台無しにもなる、と僕は思っているのですが、耳で聞く印象としては、当然、メロディーに気持ちが向きやすいので、例えば、CDなどから耳写しで弾いたりすると、練習の中心はメロディーに行ってしまうことにもなりかねません。

しかし、実は、淡々とした3拍子を味わい深く流していくことが如何に難しいことか。そして、メロディーはこの3拍子に規定されていて、その枠内でしか歌いようがないのですから、やはり、大抵は左手で弾くこの3拍子は、練習も手間がかかると思うんですね。昨日のメモで書いたルバートということも絡んできますしね。

この例では、ワルツの3拍子が淡々と、しかも表情豊かにメロディーの下支えをしている演奏こそが行き届いた演奏だと、僕は感じます。残念ながら、僕が最近聴いた演奏は、メロディーへの感情移入が過ぎて、ワルツの3拍子が不整脈のような不安定さを醸していました。それでも、何となくそれらしい雰囲気なのですが、この「らしさ」は「らしさ」どまりになってしまうと思います。

アマチュアですから、弾いている本人が楽しければそれでよい、ということではもちろんあるので、批評などはしませんが、弾く人間である自分としては、反面教師として捉えるべきケースかな、と思った次第です。
by violink | 2006-02-22 02:02 | Practise

メカニックの練習に関して

アルフレッド・コルトーとは、言わずと知れたフランスの往年のピアノの名手です。

バイオリン弾きがなぜこのピアニストを引き合いに出したかというと、コルトー版と呼ばれるものの存在と関係があります。コルトー版とは、このピアニストが教育者としての見地から、作品の持つイメージを示しながら、弾きにくい箇所の具体的な練習方法を提示している楽譜で、80冊以上もあるそうです。

バイオリンで参考にする場合、作品の持つイメージのところは別として、弾きにくい箇所の練習方法は、とても示唆に富んでいると思います。基本的には、指同士の独立性を高めるための練習用に、その箇所にある音型をベースとしたヴァリエーションを示したものですが、これがとても参考になるんですね。

ピアノという楽器は、ある意味でバイオリン以上にメカニックの練習が必要な楽器と言えると思います。バイオリンでは、右手で一弓で弾いている間に左手の指を落としていけば-落とすタイミングさえ上手くいけば-とりあえず、均等な音量で複数の音をつなげることができますが、ピアノでは、一音一音、鍵盤に落とす指の力が均等でないといけませんよね。その点で、それぞれの指が独立して均等な力で弾けるようにするトレーニングは、バイオリン以上に必要だと思います。

コルトーがそれぞれの音型をブレイクダウンするやり方は、その音型を構成するいくつかの要素に分解して、その要素ごとにバリエーションを提示するという、とても合理的なものになっています。自分が何を練習しているのか、ということが、どの指とどの指の独立性を鍛えているのか、というレベルで明確になっているからです。

たまたま僕が目にしたのは、ショパンの即興曲のものです。ちなみに、これを含めて、コルトー版の一部は全音から日本語版が出ています。
by violink | 2006-02-19 05:29 | Practise