作者自身の頭の整理のためのメモです。その時々の思いを綴っていきますので、過去記事と内容の重なりがあるかも知れません。(リンク・フリーです。) Photos in the articles: Courtesy of Tarisio Auctions
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カテゴリ:Bowing( 37 )

弓を傾けて弾くことについて-使う毛の量をコントロールする-

弦に弓の毛が全部つくように弾く時点で、すでに弓を傾けて弾いているわけですが、そこからさらに弓を傾けて弾くと、弓の毛の一部だけが弦に接触するようになります。

このように弓を傾けるのは、弓に重みを乗せずに軽い音を出したいときですね。毛が少ない分、同じ重みに対して大きく弓の毛がたわみますので、弓に余計な重みを乗せると弓のスティックに毛がついてしまいます。というわけで、音量を求めるのではなく、軽い音が欲しいときの特殊奏法のようなものだと思います。

ありがちなのは、そういう音を出したいわけでもないのに、ことさら弓を傾けて弾いているケースで、これでは目的と手段が一致しません。普通の音を出したいのであれば、弓の毛の全てが弦にしっかりついている状態が基本だと思います。

特に弓先の方に行くと、弓が曲がって(=弦に対して直角でない)、また、弓がことさらに傾きがちですので、時々、気をつけてみるとよいと思います。
by violink | 2015-03-05 12:10 | Bowing | Comments(0)

移弦という技術

バイオリンの4本の弦を弾き分けるためには、移弦の技術が必要ですね。特に、重音では、2本の弦を同時に弾くというだけでなく、その音量のバランスも関係してきますので、重音から重音への移弦は、単音から単音への移弦に比べて、格段に難しいものです。

逆に、例えば、D線からA線へというような、隣り合った弦の間での移弦では、右腕の動きもシンプルなものですので、普段、あまり意識することなく、なんとなくやっているということも多いと思います。しかし、こういうシンプルな移弦こそが、より複雑な移弦の基礎になるものですので、シンプルな移弦をきちんとマスターすることが重要ですね。

移弦をするときの右腕の動きは、(1)弦の上で弓を止めて弓の角度だけを変える、という動きと、(2)移弦の際に弓を返す動きを伴うものと伴わないもの、という2つの動きに分解することができますね。移弦の練習をするときは、(2)を取り除いて、(1)だけを取り出して行う、つまり、弓先、弓中、弓元で弓の角度だけを変える、という練習をした上で、(2)を組み合わせるのが効果的だと思います。もちろん、この練習を行う前に、同じ弦の上を弓元から弓先まで弾く、普通のボーイングの技術が身についていることが重要です。

さて、(1)の練習をする際に最も大切なことは何でしょうか。腕の形でしょうか、肘の高さでしょうか。実は、そういう外見よりも、弓を通じて右手に伝わる「弦を捉えた感触」が、移弦の前後で変わらないようにすることが重要です。そのように移弦を行おうとすれば、おのずから、腕の形や肘の高さも決まってくるものだと思います。このような右手の感触は、とても疎かになりやすいものですが、逆に、この感触が分かるようになれば、その感触に神経を集中することによって、移弦が上手くできたのかどうかを、容易に自己判定できるようになります。

この感触に気を付けるようにすれば、例えば、重音から重音への移弦の場合には、最初の重音をよいバランスで弾ける弓の角度になっているか、次の重音についてはどうか、ということを自己判定する助けにもなります。

先が重い弓を使っている場合は、弓元で弓の角度を変えるのは少々苦しいと思います。そのような場合は、敢えて多少弓先よりのところで練習するようにするのがよいでしょう。

要は、右手の感触(=右手の指が弓に接触するところからくる感触)を通じて、弦と弓との接点に神経を集中するということですね。このように神経を集中させると、不思議と弓が移弦でバタつかなくもなります。一朝一夕に成果が出るものではありませんが、普段から意識して練習して行けば、きっと、移弦の技術を向上させることができると思いますね。
by violink | 2013-11-06 23:01 | Bowing | Comments(2)

弓元・弓先以外の場所から弾き始めるときに

ボーイングを決めるときには、ダウン・アップだけでなく弓元・弓中・弓先のどこを使って弾くかも考えますね。弾き始めるのは、弓元か弓先が多いと思いますが、それ以外にも、弓先1/3とか弓元1/4とか、弾き始める弓の場所を工夫することがあると思います。

弓のどこからでも弾き出せる技は、意識して練習しないと身に付かないと思いますが、この技があると、音価に応じた弓幅を使える可能性が高くなるので、フレーズ感を表現しやすくなるなどのメリットがあります。基本は、弦の上に弓を置いて安定してから弾き出す、ということですが、弓を置いている時間を最小限にする、言い換えれば、弦に触れた瞬間に弾き出すことができるのが理想です。

そのためには、弓のその箇所で弾き始めるときの3要素(速さ、重さ、駒からの距離)をよくコントロールすることに加えて、弓が必要以上に跳ねないように、できるだけ弦に近いところから着地させるのがポイントですね。弓の弾力が邪魔をしないようにしてやる必要があります。

この奏法が上手くいくためには、弓自体の性能もかなり関係してくると思います。感覚的に言えば、1mmでも0.1mmでも弓幅に応じた音が出る弓であるとよいのですが。。。そういう要素も関わってくるので、こういう奏法もあるのだ、ということを頭の片隅に置いておいて、時々、練習の合間に思い起こしてみる程度がよいかも知れません。
by violink | 2011-01-10 02:24 | Bowing | Comments(0)

「回転ボーイング」の極意

「回転ボーイング」と聞いてピンと来る人は、とある先生(もともとはヴィオラ)に習ったことがある人だと思います。(ここでは匿名にしておきます。)

ボーイングの基本練習の中でも最も基礎的な、ダウン、アップの全弓を、それぞれ何度も続けて弾くものです。ダウン、ダウン、ダウン、、、アップ、アップ、アップ、、、というような感じです。ダウンでもアップでも一弓を弾き切ってから、半円を描くように腕を大きく回してもとの位置に戻るので、回転ボーイングと呼ばれてい(るのだと思い)ます。

この練習は、あまりにもシンプルであるために、考えなしに繰り返すという悪弊にも陥りやすいのですが、その一方で、ボーイングの基本をマスターし確認するために、これ以上の練習はありません。それは、左手のことを考えない分右手の動きに集中できるということと、右手もシンプルなロングトーンなので、余計なことを考えず、発音の瞬間や、ロングトーンを弾いているときの脱力などに気持ちを集中できるからです。

特に、発音については、単にきれいに弾き出せればよいということではなく、弾き出した瞬間から楽器をフルに鳴らせるボーイングを目指す必要がありますし、また、駒から指板までの間のどこを、どのくらいの速さで、どのくらいの重みを乗せて弾くのか、いろいろな組合せを試行錯誤しながら研究することも必要です。

そのためには、余計な(=より複雑な)要素を取り払って、シンプルな練習に徹するのが得策ですし、「回転ボーイング」はその代表例だと思います。

「回転ボーイング」以外にも、シンプルな練習はいろいろありますが、数ある練習方法の中でも、手間がかからず、また、練習の最初の「儀式」にも最適です。自分のボーイングのアラを見つける手段にも使えるので、短い時間でも日常的に取り入れていければと思います。
by violink | 2011-01-04 15:53 | Bowing | Comments(0)

弓の返しで音をつなげるには

ロングトーンの途中で弓を返さなければいけないケースがありますね。その返しをスムーズにやるためには、隠し技(?)として2つのことが考えられると思います。

まず、基本的な考え方として、返す前後で条件を変えてはいけない、ということで、弓のスピード、弓に乗せる重さ、駒からの距離があります。このうち3つ目は、弓の返しで瞬間的に変えることはむしろ難しいので、大抵は意識しなくても大丈夫ですね。

と、理屈はこうなりますが、実際には、これだけではどうしても音の継ぎ目が聞こえてしまいますので、工夫が必要だと思います。その工夫とは、弓を返す前に響きを作っておき、その響きを殺さないように返すということです。そのためには、弓を返す瞬間に向かって、弓のスピードをわずかに上げていくような、響きをどんどん増幅させていくような感じで弾くと、上手く行くことが多いですね。(あくまで「感じ」であることが大切です。)

もう一つは、ヴィブラートの工夫です。ヴィブラートは、音程の高いところが人間には聴こえやすいそうで、正しい音程をピークに下向きに揺らす、というのがほぼ常識になっていると思います。これを応用すると、ヴィブラートの音程のピークでないところで弓を返す、というアイディアが浮かんできます。

本当は、ヴィブラートの音程の一番低いポイントで返すのが、上の考え方に照らせばベストなのかも知れませんが、その一点を狙っても上手く行きませんので、多少、余裕を持って考えます。実験してみると、弓の返しが目立ちにくくなると感じられると思います。

尤も、この点だけに気をとられるようになると、本末転倒も甚だしいのですが。。。
by violink | 2007-08-28 06:25 | Bowing | Comments(0)

安定したボウイングのために

ボウイングが上手く行かない、という悩みを持つとします。上手く行かないとは、どういうことでしょうか。細かく見て行けば、弓が曲がる、弓が弾んでしまうなどなど、いろいろな「症状」が観察できるでしょう。これを逆に、何のために弦を擦っているのか、という問いかけから逆に攻めて行くと、音が上手く出ない、ということだと思います。

要は、綺麗な音を出すための邪魔になるような要素が多ければ多いほど、ボウイングが上手く行かない、という「自覚症状」が強く出ますし、また、どこから手をつけていいのか途方にくれてしまいがちですね。

「症状」の一つ一つに注目して、それを取り除こうとすると、これは「対症療法」であり、根本の原因を取り除くことはできないと思います。ボウイングの場合、綺麗な音が出るかどうかは、弦に腕の重みが綺麗に乗っているかどうかと密接に関連すると思います。ですので、腕の重みを綺麗に弦に乗せるための「手続」を出来るだけシンプルにすることが、安定したボウイングにつながると考えています。

ボウイングの「手続」をシンプルにするとは、どういうことでしょうか。それは、①力の乗せ方が同じときは腕の形を同じにするということと、②力の乗せ方が変化するときの腕の形の変化を最小限にするということだと思います。

そのためにまず、どういう腕の形であれば腕の重みが綺麗に弦に乗るのか、をきちんと把握することが肝心ですね。ここがベースになります。そして、①の関係では、例えば、同じ弦上のロングトーンを弾く時の腕の形はこれ、ということを腕によく覚えこませるということですし、②の関係では、移弦するときの弓の角度の変化が最小限になるようにするということだと思います。

ボウイングが上手く行かない場合、上記のベースの部分がしっかりしていないことが多く、また、同じ音なのに腕の形が変わっていることが多いですね。腕の形(例えば上腕の高さ)が変わると、それに応じて前腕の形を変えないと、同じ音は出ません。一部を変えると全体を調整し直さないといけなくなり、これはシンプルではない複雑な作業になってしまいます。

文字にしてしまうと、こんなところなのですが、皆さんはどのようにイメージされたでしょうか?
by violink | 2007-08-15 06:21 | Bowing | Comments(0)

表現するためのボウイング

ボウイングは、そもそも音を出すためのアクションですが、音量、音色と直接関係するアクションですので、ボウイングと表現とは、常にセットで考えていた方がよいと思います。

オケの練習中に指揮者から「もっと歌って!!」とか言われることがありますよね。すると、意識はすぐに左手、それもヴィブラートに行きがちです。それは、指揮者のアクションとして、左手でヴィブラートをかけるようなアクションを見せて、「もっと歌って!!」を指示していることからみても、かなり一般常識的になっていると思います。

ところが、実際はヴィブラートよりもボウイングなのですね。ボウイングが関与しない表現なぞ、どんなにヴィブラートでがんばっても貧相なものです。ノンヴィブラートでもとても音楽的に聞こえるケースもありますし、それだけ、ボウイングによって表現される部分は大きいのだと思います。

さて、ボウイングで表現するためには、単に滑らかに一定の音量で音が出せればよいということではなく、その先を目指す必要がありますね。その先の目標は2種類あって、①弓のスピードを自在にコントロールできることと、②駒からの距離に応じて、特徴ある音色を作れること、ということだと思います。

まず①ですが、これはまず、一定のスピードでボウイングができることが基本ですね。その上で、弾き始めのところで瞬間的に音を立ち上げる(=瞬間的にスピードを上げる。)ことがあり、さらに、弓の返しで瞬間的にスピードを変えること、弓の途中で瞬間的にスピードを変えること、ができるようにするということです。

瞬間的、ということがポイントで、これがなかなか上手く行かないのですが、上手く行かないとどうしても表現がボヤけてしまいます。例えば、ピアノという楽器を思い浮かべてみましょう。ピアノは鍵盤ごとにタッチを変えることができるので、ここで言う「瞬間的」ということが、いとも簡単にできてしまいます。バイオリンでは、ある程度意識的にやらないと、瞬間的にスピードを変えられるようなボウイングには辿り着かないと思います。

次に②ですが、これは①ができることが前提となりますが、要は、駒からの距離に応じて、その場所で出せる音の特徴を余すところなく出そうとすると、場所毎にもっとも適当な弓の圧力とスピードの組合せがあるということです。これは、弓のスピードの制約条件にもなることなので、①の先で神経を使うべきことなのだと思います。

まあ、いずれにせよ、そういうことに気をつけることで、普段、左手のヴィブラートに頼りがちな表現の部分に、右手のボウイングをより積極的に関わらせることができるようになると、表現の幅はぐっと広がる可能性が出てきます。そこまで来れば、後は本人の表現のセンスの問題ですね。実は、ここが一番の鬼門なのですが。。。(笑)
by violink | 2007-08-12 07:25 | Bowing | Comments(2)

弓に腕の重みを乗せる練習

楽器からしっかりした音を弾き出すためには、弓に腕の重みを乗せる必要がありますね。しかし、これは結構難しいものです。というのも、弓が弦に触れる点を腕で直接押さえているわけではないからですね。弓という仲立ちがあるので、弓を通じて重みを乗せる、ということを考える必要があるのでしょう。

複雑な動きの練習は、単純化して取り組むことがコツですね。今回も、そのような視点から考えてみます。単純化すると、まず、弓を持たない状態で、手のひらに腕の重みをのせる、という発想から始まりますね。

机の前に座って、机の上に手のひらを置きます。このとき、手首の関節から腕よりの部分(前腕と上腕)は机に付かないようにします。この状態で手の力を抜いていくと、腕の重みが手のひらに乗るようになりますね。この状態が基本だと思います。

次に、腕の重みを手のひらにのせた状態で、手のひらを左右に滑らせてみます。そのときに、腕の重みを軽くせず、重みがそのまま乗っているようにするのがコツです。これをやってみると、予想外に手のひらに重みが乗っていることに気づくと思います。

ここまで来れば、次は、弓を持っての練習になりますね。G線での練習が一番楽ですね。そして、弓元が一番分かりやすいので、弓元から始めて、そのまま弾くのでなく、弓のいろいろな場所で弦を触るようなイメージです。右手の手のひらがきちんと弓を掴んでいないと、上手く行きませんね。その意味で、右手の手指がしっかりしている必要があります。

この動きに慣れてきたら、徐々に、D、A、E線でも同じようにやってみます。弓の角度が水平から垂直に近づくほど、重みをのせるのが難しくなります。少しずつ、単純な形から複雑な形へと、練習を進めていけばよいと思っています。

<本日の楽器> L. Bisiach I 1912 copy of N. Amati
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by violink | 2006-11-10 20:30 | Bowing | Comments(2)

楽器側での弓速のコントロール

弓速のコントロールは、表情豊かな演奏には不可欠で、極端に言えば、一音一音の弓幅を明確にイメージすべきものだと思っています。それでも実際には、なかなか一音ごとに弓幅を変えるのは大変なので、どうしても大まかになってしまいますが。

その弓幅こそが弓の速さを決めているわけですね。音の長さは決まっているわけですから、多く弓を使う=速い、少ない弓で弾く=遅い、という関係になります。

そして、より細かくなると、一音の中での弓の速さという話になってきて、cresc.とかdecresc.があれば、一音の中で弓の速さを上げたり落としたり、ということをしますね。これもある程度は大雑把な話です。

そもそも、右手だけで弓の速さをコントロールしようとしても、なかなか難しい。ある程度より細かいコントロールは無理とも言えます。却って、唐突になったりして不自然に聞こえるのが関の山ですね。

そこで、左手というか、楽器の側で助けてやるわけです。昔、理科の時間に相対速度というのを習ったことありませんか? その考え方の応用です。弓と同じ方向に楽器を平行移動させると(平行移動であることが大切なのですが)、弓速は遅くなりますし、逆は速くなりますね。

この、楽器の平行移動は、結構細かくコントロールできるので、弓速の細かいコントロールに役立ちますね。つまらない話では、ロングトーンで弓が足りなくなったときなど、楽器を少し動かしてやることで、多少、持たせることができます。

楽器側のコントロールが自然に行くと、これはもう、音楽の表情にとても貢献してくれるので、あまり不自然にならない程度に取り入れたいものですね。
by violink | 2006-04-02 18:43 | Bowing | Comments(1)

アルペジオの課題

アルペジオとは分散和音のことで、これが曲の中に出てくるときは、多くの場合は、伴奏としての和音をくずしたものですが、伴奏としてだけでなくメロディーを含んでいる場合もあります。そして、後者の場合に、メロディーの音が他の3音から際立って聞こえるようにすることは、G線またはE線上の音は別として、なかなか難しいものです。

メロディーの音だけ他の3つの音よりも大きな音で弾く、という形でこれを解決しようとすると、直ちにボーイングの基本、つまり弾く位置、速さ、圧力をある一音だけ他の3つの音と変えることが難しいために、解決不能になってしまいます。

そこで、音量で差をつける、というアプローチから一旦離れて、音量以外の方法で一音を際立たせることができないか、と考えてみます。①その音の頭をよりクリアに出す、②その音を気持ち長めに弾く、ということが直ちに思い浮かぶと思います。これ以外にもあるかも知れませんが、一応、2つ思い付いたということで、次のステップに進んでみます。

次のステップとは、これらの2つのことが実際にできるようにするための練習方法です。最終的にどちらの方法が適切であるかは、やってみないと分かりません。聞こえ方一つにかかっています。どちらも技術的に可能だということならば、最後は、聞き比べで決めることになると思いますね。

さて、そこで練習方法ですが、まず①については、アルペジオの4つの音を、その一音の前までの音と、その一音を含んだ残りの音とに分解し、明らかに2つの動きに分けた上で、2つ目の音の塊の最初にアクセントをつけるようなつもりでアルペジオを弾くという練習が考えられます。弓の角度を変えるスピードを、アクセントをつける直前だけ速めるのがポイントで、これが無理なくできるかどうかをチェックする必要がありますね。

次に②については、その一音の長さを他の音の例えば2倍の音価と設定して、徐々にこの音の長さを短くしていって、最終的には、4つの音がほぼ同じ長さに聞こえるところまで持っていく方法ですね。

上記の例では、①と②について、このような練習をしてみて、技術的に可能ということであれば、最終的には弾き比べてみて、どちらがその箇所の聞こえ方として適しているかを見極めるということになるでしょう。どちらも一音が際立つ点は共通ですが、際立ち方が違うので、当然、聞こえ方が違ってくるからですね。

久しぶりに、純粋にテクニカルな話題になりました。
by violink | 2006-02-15 07:30 | Bowing | Comments(2)