作者自身の頭の整理のためのメモです。その時々の思いを綴っていきますので、過去記事と内容の重なりがあるかも知れません。(リンク・フリーです。) Photos in the articles: Courtesy of Tarisio Auctions
by violink
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左手の指同士の独立性

最近、人差し指をちょっと痛めまして、10度を押さえるのに少々苦労しているのですが、そんな中でも感じたことがあります。それは、人差し指以外の指で弦を押さえているときでも、時として、人差し指が痛くなるのです。

それは、要するに人差し指に余計な力が入っているからなので、脱力が大切であることには違いないのですが、そもそも、ひとつひとつの指の動きはお互いに完全に独立しているわけではないので、限界があるのも事実ですね。

例えば、薬指と小指はかなりお互いにつながっているので、薬指を立てたまま小指を完全に折り曲げるのは至難の業ですね。程度の違いはあれ、同じようなことが他の指についても言えるのだと思います。

そこで、どうするかなのですが、今のところ、弦を押さえる指の力を必要最小限にとどめる、ということと、弦を押さえていない指の脱力を心がける、ということしか思い付きません。が、これをやることで、これまで弾けなかったパッセージに指がついてきてくれるような実感が既にあります。1兎を追ううちに2兎を得たような気分です。。。
by violink | 2005-12-27 06:01 | Relaxation | Comments(6)

major <-> minor のトーンの転換

転調の中でも、major と minor の間で転調するものは、どのようにしてその転換を聴かせるか、悩ましいところですね。巷で売られているCDにも、そうした「悩ましさ」をこなした後が聞こえる演奏と、そもそも何が悩ましいのか認識されていないと思しき演奏があります。

この問題は、major と minor のそれぞれの世界の中で音程がきちんと整っている、ということとは別次元の問題で、調がどうであれ、「majorらしさ」 と 「minorらしさ」 の違いをどう聞こえさせるか、という問題であるわけです。

僕が最近気を付けていることは、major から minor への転調では、標準的なピッチを全体的に低目に持っていくことです。極端に言えば、major では A=443Hz で取っているところを、 minor に転換してからは A=441Hz で取るようにするようなイメージですね。

これは、なかなか精緻にやろうとしても上手く行かないのですが、このアプローチをとることで、確かに、major から minor や、その逆の転調がそれらしく聞こえるんですね。

このようなアプローチが正しいのかどうか、自分には分からないのですが、現に、転調のニュアンスをよく表現できるので、これからも追求していきたいと思っています。
by violink | 2005-12-20 17:51 | Pitch | Comments(0)

<番外編>ゲヴァントハウス弦楽四重奏団

昨日、紀尾井ホールで聴いてまいりました。

200年近くの歴史を持つ弦楽四重奏団による、伝統的なスタイルに忠実な、格調高い演奏でした。。。と、一言で言えばそうなりますが、僕が何しろ感動したのは、伝統的なスタイルの中にも散りばめられた色彩感覚のようなものに対してだったと思います。

ベートーヴェンというと、やはりスタイルがまずあるでしょうし、そこから大きく外れる演奏をしないように、と演奏する側も気をつけるでしょうし、また、聴く側にも、演奏者がそのことに神経を使っていることが聞えてしまったりもします。

しかし、スタイルというものは独り歩きしやすいものだと感じたのですね。本来は、色彩感を含めてスタイルなのでしょう。画家の絵と同じですよね。構図とか色彩とかが全体としてその画家のスタイルになっていると思います。ところが、形式ばったものに当てはめようとするあまり、そうした躍動感のようなものが抜け落ちてしまうことが多いのだと思います。スタイルが独り歩きした結果ですね。

「○○さんらしい。。。」という言い方を、僕たちはよく聞きますね。自分が持っている○○さんのイメージとピッタリくるときに、思わず出てしまう言葉だと思います。ところが一方で、「○○さんにもそんなことがあるのか。。。」という言葉も、劣らずよく聞くものです。言いたかったことは、ひとつのスタイルの中にも意外性というものが許容されているということで、少なくとも、個々の人間に対して僕たちが持つイメージに関しては、そういうことが現実にあるわけです。

さて、話を戻すと、音楽にもそういう側面があるのではないかと、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団の演奏を聴きながら感じたのですね。もちろん、実際には意外性といってもごく少量のスパイスのようなものだと思います。逆に言えば、スタイルがきちんとしているからこそ、少量のスパイスがピリリと利いてくるとも言えると思います。

人間でもそうですよね。意外性というのは、逆に、意外でない部分がはっきりとあるからこそ意外なのであって、そうでなければ何が普通で何が意外かも区別ができないですよね。

スタイルがきちんとしているので、少量のスパイスが意外性を表現する。そして、それは少量であるからこそ、スタイルの中にきちんと納まる。。。ということを感じました。尤も、このことは、何も目新しいことでもなく、既に、いろいろな言葉で表現されてきたことだと思います。

さて、そういう目でみて、弾く人間として特に印象に残ったのは、第一バイオリンに随所に出てくるいわゆる「早回し」的なフレーズのこなし方です。ガシガシと一音一音しっかり立てて弾く、というのでなく、むしろ音と音との区切れは最低限にしてサラサラと弾いていく、という感じです。

音符の細かいところが主役とは、必ずしも限らないということなのですね。技術的なこともあって概して目立ってしまいがちなのですが、そう弾かなくてもぜんぜん違和感がない、というか、そう弾くものではないのだな、と思えました。

言葉にならない部分も含めて、大変いろいろなことを感じさせてくれました。伝統のある弦楽四重奏団だけあって、チェロの方は1973年からやっているそうです。32年間というのは、サラリーマンで言えばほぼ終身雇用期間の全体ですよね。それを同じ「ポスト」で勤め上げてきたとは。。。こういうところにも、音楽の奥の深さ、無限にある探求のネタということを感じました。
by violink | 2005-12-12 06:54 | Concert | Comments(0)

表現方法 vs 表現したいこと

表現の仕方を学んで、それを自分で出来るようにする。。。というのは、この世界の常道ですが、僕は、表現の仕方を学ぶ前のステップがあると思うんですね。

それは、僕は、(専門家ではありませんが、)ワイン作りにも似たようなものだと思っています。材料(ブドウ)は同じでも、出来上がったワインの味わいは千差万別ですよね。土壌のような自然条件による部分もあれば、醸造方法という技術的な部分もあって、それらをどう組み合わせるかは、おそらく醸造家の哲学によるのでしょう。

何れにせよ、そういうわけで、どのようなワインを目指すのか、ということ自体が醸造家によって違うということだと思います。そして、その仕上がった後の姿を味わって、皆さん楽しんでいるわけです。あまりオーダーメードという話も聞きませんし。

人それぞれ味の好みがあるでしょうし、誰かに贈るとすれば贈る相手の好みも考えるでしょう。様々な数え切れない種類の個性を持ったワインが世の中で誰かに飲まれているのですね。そこには、まず表現ありき(=飲む人の好みに合わせるというのではなく)という精神があるような気がします。

話が随分遠回りをしてしまいましたが、要は、楽器の演奏でも、同じようなアプローチがあってよいのではないのかと思うんですね。もちろん、私はワインに詳しいわけではないので、私がアナロジーで捉えていることが、実際にどうなのかは分からないのですが、言いたかったことは、何を表現したいか→どうすればそれを表現できるか、という順序でアプローチすることに意味があるのではないか、ということなんですね。

このアプローチは、楽器を弾く方でなくてもおそらく出来るし、また、現にやっている方もおられると思います。楽器を弾く方でも、まず、何を表現するか、というところから入っていくことで、自分の演奏はもちろんですが、人の演奏を鑑賞するときの感動(あるいは失望)の度合いも、一際ではないかなと。そして、それは広い意味で音楽を味わう機会の充実につながるのではないかな。。。とまあ、思うわけですね。
by violink | 2005-12-11 22:49 | Expression | Comments(0)