作者自身の頭の整理のためのメモです。その時々の思いを綴っていきますので、過去記事と内容の重なりがあるかも知れません。(リンク・フリーです。) Photos in the articles: Courtesy of Tarisio Auctions
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テンポの揺らし方

表情を込めようとするときに、テンポを揺らしますよね。でも、揺らしてみると、結構、前後関係がいびつになったり、大げさになり過ぎたりして、上手くいかないことが多いですね。

そこで、僕は発想を変えてみることにしました。テンポを「揺らす」のではなく、テンポを「つなぐ」という感じ方です。一つの曲の中で、音楽は様々な表情を見せてくれます。そして、その表情と表情とが自然につながる、とか、突然変わるとか、そういうことがきちんと聞こえることが、音楽全体の表情を聞かせることにつながるのだと思います。

一つ一つの箇所への思いを掘り下げていって、それが具体的な音やテンポのイメージになるところまで来ると、後は、一つ一つの表現のブロックをつなぎ合わせる作業になってくるのだと思います。そのつなぎの作業の中で、いろいろな試行錯誤をしてみると、どこかでピタッと来るつなぎ方が閃くはずです。

この作業が最高に楽しい。。。音楽は、演奏することも楽しいのですが、演奏する前に、自分の中で音楽を組み立てる作業、試行錯誤というか推敲というか、その「実験」は、本番の何倍も楽しいのです。自分の中で一つの作品を理解しようとする試み、それ自体が、僕が音楽に関わっている目的になっています。人前で実際に楽器を演奏するのは、そのカケラを披露することでしかなく、また、時間もあっという間に過ぎてしまうので、聴いている人は損をした気分になるのではないでしょうか。(笑)
by violink | 2006-07-09 10:00 | Expression

生きているという感覚

日常生活に追われているときには決して感じないけれども、それがふと途切れたときや、何かのきっかけで、生きているという、ただそれだけのことが、何物にも変えがたい言葉に出来ない喜びというか充実感というか、そういうものを感じたことはありませんか。

普段気にしていることがうそのように気にならなくなり、何か本質的なものを悟ってしまったかのような感覚、自分が周囲のあらゆるものに置いている価値の序列が一瞬のうちに崩れて、これまでとは全く異なる序列に並び替えられたような感覚、そんな経験はありませんか。

僕は、ときどきそのように感じることがあって、そんなときにたまたま音楽を聴いていると、音楽がどうのこうのというよりも、そこに確かに存在している演奏家という一人の人間、その人間の生きざまに思いを馳せているのです。

もちろん面識もなく、その演奏家の生き方を知るべくもないのですが、それでも何かが伝わってくるような感じがするのですね。それは、音楽そのものというより、音楽に向かう姿勢といった方が近いかも知れません。

そして、そんなことを感じている自分自身。演奏家という生きている存在。その演奏を聴いている自分という生きている存在。そういう2人が同じ時代にたまたま生きているということに偶然を感じ、また、喜びを感じ、と何を書いているのか、自分でも分からなくなりつつありますが、、、、何か感じ取っていただけるでしょうか。

おそらく音楽に限らず、およそ人の営みに付きまとう「生」という感覚。でも、その営みの抽象性が高ければ高いほど、自分にとって共感できる可能性が広がるのだと思います。

音楽を聴いていて、こんなことを感じる状態にいつもなるわけではありませんが、僕自身にとっては、音楽の持つ効用というか特性というか、そういうものの一つには違いないと思っています。

音楽による癒しということも、案外、こういうことが背景にあってのことかも知れませんね。

这边中文版
by violink | 2006-07-04 01:25 | My Feeling