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音程の狭さと音質の豊かさ
昨年もすっかりご無沙汰してしまいましたが、みなさん、バイオリンの勉強は捗って(はかどって)いるでしょうか。今年は、いろいろ気づいたことを、できるだけブログ(またはTwitter)を通じて発信していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
さて、昨年末に、保存状態のよい1690年代のクレモナの楽器を弾く機会がありました。音の面で普段使っている楽器との違いを感じたのは、音程の許容範囲が極めて狭いことと、音量・音質のバリエーションが極めて広いこと、の2つだったと思います。 特に、音程が極めて狭いツボにはまったときの響きの広がり方は、普段経験できない規模のものでした。その結果、ヴィブラートも無理にかけようとしなくても、響きを揺らすような感覚できれいなヴィブラートがかかるように思いました。音程の上下でなく、響きの大小によるヴィブラート効果のようなものです。 ストラドほどの名器でなくても、構造上の問題がなく、また、調整がきちんとされている楽器であれば、音程のツボははっきりと認識することができます。その音程のツボを狭く深く開拓していくようなつもりで楽器を弾くようにすると、自分自身の音程感覚も磨かれますし、楽器も正しい音程に反応しやすくなりますね。 また、音程のツボを狭く深く開拓すればするほど、その周辺(=つまりごく僅かに音程がツボから外れている部分)で音質のバリエーションを増やすことができます。ほとんど音程に影響を与えずに、音のニュアンスだけを明るめ、暗めに持っていくことができるようになります。 今年は、こうした「気づき」をさらに推し進めて、実際の演奏の中でより自然に使い分けて行けるようになりたいものだと思います。
by violink
| 2011-01-03 19:10
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