作者自身の頭の整理のためのメモです。その時々の思いを綴っていきますので、過去記事と内容の重なりがあるかも知れません。(リンク・フリーです。) Photos in the articles: Courtesy of Tarisio Auctions
by violink
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<音楽という言葉>テンポにおけるフェイント

楽譜を見ている分には、まったく違和感なく頭に入ってくる場合でも、実際に音として聴いた場合には、相当異色だったり斬新だったりするケースがありますね。作曲家がなぜそうしたのか、想像力を掻き立てられるものです。

例えば、ベルリオーズの幻想交響曲の第1楽章で、冒頭からしばらくやって、ピウ・モッソになる瞬間、バイオリンがミュートを外したところですね。ここでテンポが変わりますが、その直後の1、2拍目はただのロングトーンになっていて、3拍目からストバイの16分音符の6連符が入ってきます。

オケの中で弾いている分には、当然、指揮者はピウ・モッソの瞬間からそのテンポで振りますから、頭の中のテンポも切り替わるわけですが、聴いている側にしてみれば、収束に向かうロングトーンに入ったと思ったら、自分の感じている3拍目よりはるかに早いタイミングでストバイの6連符が始まる、という感じになります。この違和感はベルリオーズが狙ったものなのでしょうか。なぜ、ベルリオーズはストバイが入る3拍目からピウ・モッソにすることを選ばなかったのでしょう。

私は、ベルリオーズは聴いている側にも、この小節の冒頭からテンポが変わったことを伝えたかったと思うのです。(それは、指揮棒をみてではなく音を聴いてです。)そのために、この小節の冒頭からのロングトーンをやっているビオラ以下の弦は、fからppに向かうディミヌエンドが表示されているのだと思いますし、実際にそう聴かせるためには、このディミヌエンドを相当きつめにやる必要があるのだと思います。あたかも柔らかいアクセントがついているかのように弾くことで、スピード感が表現でき、ロングトーンであってもテンポの変化を感じさせることができると思うんですね。
by violink | 2004-08-16 09:02 | Interpretation
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