作者自身の頭の整理のためのメモです。その時々の思いを綴っていきますので、過去記事と内容の重なりがあるかも知れません。(リンク・フリーです。) Photos in the articles: Courtesy of Tarisio Auctions
by violink
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和音から得られるヒント

最近、フランクのソナタの1楽章の和音進行を丁寧にみているのですが、そんな中で気づいたことがあります。専門家の方々からすれば、和声学の基本と言われてしまう(か、邪道と言われる)かも知れませんが。

この楽章では、セブンスコード(例えば、c-durであればCEGB。以下、c7と書きます。)とかナインスコード(例えば、c-durであればCEGBD。以下、c9と書きます。)というものが頻繁に出てきます。気づいたことはいくつかあるのですが、その一つは、これらのコードは、その先を予感させるもので、オチが必要になるコードなのですが、オチのように見えてその先がまだあるケースや、予想外のオチが待っているケースが多いのです。

c7→FACと解決するのかと思えば、c7→f7→BDFと続くケースは前者の例ですね。こういう箇所では、c7→FACのようにみせつつ、その先があることを予感させる、そんな弾き方ができないかなと思います。

もう一つは、和声一般の話ともいえるのですが、このナインスコードのトリッキーなところを、フランクが巧みに利用しているということです。c-durの例であれば、c9はCEGBDとなりますが、これは、CEG(c-durの3和音)とGBD(g-mollの3和音)の組合せとみることもできます。ところが、これらを組み合わせると、ナインスコードという一つの性格を帯びてしまうのですね。

例えば、ピアノでC-GBDとかCEG-Dとか弾いてみると、それぞれ音としては、d-moll、c-durが中心であるはずなのに、そうは聞こえず、ナインスコードが聞こえます。相手方の音を一音でも残してしまうと、即、ナインスコードになってしまうんですね。

フランクがやっていることは、例えば、c9の後で、c9からGBだけを外してg-mollを響かせてから再びc9を登場させるという手法です。このc9に挟まれたg-mollの響きは、心底g-mollという感じでもなく、どこかに洒落っ気のあるフワッとした感じなので、どう弾いたものか、いろいろ思いを巡らしているところです。

楽譜を丹念にみていくと、いろいろ発見があるものですね。


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- Jean Baptiste Vuillaume ca.1860 -
by violink | 2006-02-03 06:18 | Interpretation
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