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<番外編>ショパンの舟歌
昨年10月のショパン・コンクールで優勝したプレハッチ氏(ポーランド)がこのコンクールで演奏した舟歌を、最近、CDで聴く機会がありました。この曲は、ショパンのピアノ曲の中でも最も好きな曲の1つです。演奏自体、いろいろな意味で素晴らしかったのだと思いますが、僕にとっては、演奏の素晴らしさより、むしろ、この曲自体の素晴らしさを再発見させてもらったような気がしました。再現芸術の極致を感じさせる演奏でした。
この曲には、水面の光の揺らぎ、船の揺らぎ、周囲の景色の揺らぎのような、自分が船に乗っていたならば目で見、体で感じるであろうことが、長短様々なフレーズの絡み合いの中で、いわば、小波、中波、大波のように表現されているように感じました。ところどころ、水面で小さく光が散ってキラキラと反射するかのようなニュアンスが、トリルで表現されていて、とても綺麗です。 船が進むときの感じ。。。手漕ぎであれば、オールで水を掻いているときとそうでないときとで、船が進む速さは違いますね。。。そんな船の感覚も、冒頭からしばらくして始まる左手の音型で表現されているように感じます。曲が進行していくことに、水面の光の揺らぎ、船の揺らぎ、周囲の景色の揺らぎなど、恰も自分自身が船に乗っていて、目で見て体で感じるであろうことが、そのまま音を通じて伝わってくるようでした。 5年ほど前にヴェネチアを散歩していたときの運河の風景を思い出しました。。。
by violink
| 2006-02-28 12:40
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