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クラシック音楽の愉しみ
人それぞれクラシック音楽の愉しみ方は様々でしょうが、それにしても何と奥の深い愉しみだろうかと、思いを馳せてみました。
まずは楽器を弾く側。長い時間をかけて楽器の弾き方を覚え、その先には、作曲家の思いのこもった楽譜の解読作業。CDの聞き込み。それを人前で聴かせるための鍛錬。演奏仲間との喧々諤々の楽しい会話。本番でのお客さんとの微妙な駆け引き、それ以前にステージ上での死闘。そして、コンサート後の打上げへ。(これはアマチュアの特権でしょうか。) そして、バイオリンの場合、ほかの楽器以上に切実な楽器・弓選び。子供の頃からの買い替え。大人になってからのグレードアップ。手元不如意の際には泣く泣く処分。(古い言い回しですね。意味分かりますか。)この処分というのは、通常はないですね。。。古くはパガニーニが賭博に負けて楽器を手放した、という話がありますが。まだまだ。不注意(?)による置忘れと盗難、保険金支払い、そして発見。楽器選びと言えば、買いたかった楽器・弓が、一足違いで別の伴侶のところへ、ということもあります。 そして音楽を聴く側。曲を知るプロセス、演奏家を知るプロセスでの膨大なCD購入、コンサート通い。音へのこだわり。オーディオ機材への興味・投資。巨匠もたじたじの演奏批評。比較「文化」論(=持論)の展開。突然別世界に連れて行かれて一人涙。楽器を取り上げて弾きたくなる衝動。BGMとして鳴らして雰囲気を堪能。などなど。 実にこまごまとした、様々な愉しみの集合体という気がしますが、話はここで終わりではなく、ここで「空」から「地上」を見下ろす気持ちで眺めてみると、そこには一本の「川」が全体と調和して流れていることに気づきます。 それは、作曲家の思いを演奏家が音にし、その演奏家の息遣いを手元に引き寄せてくるという行為に他なりません。(これはオーディオで聴くのもコンサートで聴くのも同じです。)まさに時空を超えた壮大な営みが、クラシック音楽の愉しみの底流として、しかも時を越えて絶えざる流れとして脈々と受け継がれてきて、これからも受け継がれて行くということにこそ、僕は奥深さを感じたのですね。 一生の友とするに相応しい、この「奥深さ」との出会いがいつだったかは思い出せませんが、この「奥深さ」に思い至ったのは、つい数時間前のことでした。(笑)
by violink
| 2007-09-04 06:19
| My Feeling
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