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ヴィブラートのコントロール
ヴィブラートをかけるときには、幅と速さをコントロールすることによって、(さらに、場合によっては音程も工夫することによって、)表情にヴァリエーションを持たせるものですが、このようなヴァリエーションをつけるための技術的なポイントとしてよく言われるのは、腕全体でかけるとか、手首から上でかけるとか、さらには指先だけでかけるといった区別をするイメージですね。
このような区別を実際に動きとして実現するためにも、実は左手の親指の役割がとても大きいですね。ヴィブラートの動きそのものは、たとえ手首から上だけでかけるヴィブラートであっても、腕の方から動いているのが普通ですが、そのときに手首から先が動きの中心になるか、腕全体が動くかの違いは、左手の親指の使い方の違いによってやりやすくもやりにくくもなるという感じがしています。 具体的には、「親指」と「親指を除く手のひら」との動きを連動させるかさせないかということだと思います。これらの動きを連動させると腕全体が一つの動きをしますし、連動させないと腕と手のひらの動きが別々のものになってきます。この違いを意識することによって、腕のヴィブラートと手首から先のヴィブラートの違いがつけやすくなると思いますね。 そのためには、振るわせる場所を「腕全体」とするか「手首より先」にするか、と捉えるのではなく、左手の親指の関与の仕方に注目するということだと思います。 次に、これはヴィブラートの幅とも深く関係してくることですが、親指とネックとの関係として、特に親指からネックに対して、どちらの方向に力が加わっているかということが大切だと考えています。親指は、単にネックのところで楽器の重さを支えているわけではなく、ネックに対して斜め前か斜め後ろの向きに力が入っていることが多いと思います。こうした違いで、ヴィブラートをかけるときの幅のコントロールがやりやすくなったりもしますね。 以上に書いた左手の親指の役割は、あまり意識しすぎると、かえって硬直してしまいます。実際には微妙な力の使い方でこうした親指の役割を変えていくことができると思いますので、余計な力が入っていないことを確認しながら練習をすることが大切ですね。
by violink
| 2004-07-20 00:07
| Vibrato
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