作者自身の頭の整理のためのメモです。その時々の思いを綴っていきますので、過去記事と内容の重なりがあるかも知れません。(リンク・フリーです。) Photos in the articles: Courtesy of Tarisio Auctions
by violink
カテゴリ
Introduction
Bowing
Fingering
Vibrato
Shifting
Pizzicato
Tempo
Pitch
Rhythm
Phrasing
Sound
Relaxation
Breath Control
Expression
Practise
Ensemble
Performance
Interpretation
Concert
Instruments
Motivation
My Feeling
Others
Q&A
以前の記事
2017年 01月
2016年 11月
2016年 09月
2015年 03月
2013年 11月
2013年 09月
2012年 09月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 06月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 01月
2008年 02月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 06月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 07月
2004年 06月
2004年 05月
2004年 04月
2004年 03月
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


弓を動かすときの安定について

 ボーイングで大切なことは、自分が意図しない音が出ないということですね。そして、それは大抵の場合、弓の動きが安定していることによって達成されますね。

 ところが、そもそも弓は弾力性を持ったもの(特に良い弓はそれが顕著ですね。)ですので、腕が余計な動きをすると、それが音になって表れてしまいやすいですね。特に、腕に余計な力が入っているような場合に、不必要な動きが出てきて、それが音に表れるということが多いと思います。

 そこで、弓を動かすときに、いかにして安定感を持てるようにするかということが、大切になってきます。もちろんその答は、右手のトレーニングを十分に行うということです。ただし、仮に右手の動きが完璧になったとしても、それだけでは弓の動きは安定しないものです。なぜなら、弓の動きが不安定になって困るのはそれが音に出た時ですが、音に出るのは弓が弦に触っている間、特に、弓が弦に触る瞬間であるからですね。

 そうなると、左手による楽器の支えがとても大切になってきます。弓が弦に触る瞬間の体の動きを、弓が一方的に楽器に近づいていくというのではなく、弓を楽器が迎えにいく、という感覚で捉えるようにしてみます。非現実的な例えですが、飛行機の着陸のときに、飛行機の方が高度を下げて滑走路にできるだけ衝撃が少なくなるように着地する、というのではなく、飛んでいる飛行機に地面の方が近づいていく、というイメージでしょうか。後者の方がより衝撃が少ないような感じがしませんか?

 次に、弓で音を出している間のことですが、この場合は、弓でロングトーンを弾いているときに何らかの原因で生じるタテ方向の振動(=これが音に出やすいんですね。)を、左手で支えている楽器の方でクッションのように吸収するというイメージです。それができるためには、楽器を構えているときに、脱力ができていて左手がリラックスしている必要がありますね。

 以上に書いたようなアプローチは、弓を動かすときに右手にばかり向きやすい注意を左手の方に持っていくことによって、右手を楽にするという効果もありますね。「弾くときに弓と弦との接点に気持ちを集中する」という言い方もできます。いずれにせよ、イメージの持ち方を変えることによって、弾きやすさが相当変わってくる、ということが実感できると思いますね。
by violink | 2004-07-23 06:08 | Bowing
<< 自然なフレージングを聞かせるために 事務連絡です。。。 >>