作者自身の頭の整理のためのメモです。その時々の思いを綴っていきますので、過去記事と内容の重なりがあるかも知れません。(リンク・フリーです。) Photos in the articles: Courtesy of Tarisio Auctions
by violink
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ポジション移動でヴィブラートが途切れないようにするために

久々に、練習に関するトピックでの投稿です。

後で録音を聴いてみたら、ポジション移動するたびにヴィブラートが途切れていた、ということはありませんか。

ポジション移動は、移動先の音程を気にすればするほど、左手も硬くなりますし、ヴィブラートも途切れやすくなると思いますので、まずは、無駄な力を入れずに、ポジション移動ができるようにすることが大切ですね。

その上で、ヴィブラートの動きとポジション移動とをシンクロさせる練習が効果的だと思います。
これは、一言で言えば、ヴィブラートの往復運動の向きがポジション移動の向きに揃ったところで、ポジション移動する、ということなのですが、これを精緻にやるのは至難の業です。

実際には、極めて遅いテンポでこのようなシンクロを行ってみることで感覚をつかみ、ある程度できるようになったら、そのイメージを大切にしてインテンポで弾いてみるということだと思います。

テンポを徐々に上げていく、、、という類の練習は必要ないと思います。が、一旦出来るようになったら後は無意識のうちにできている、という種類のものことではなく、ときどき思い出してチェックしてみる必要があると思います。

ポジション移動でヴィブラートが途切れないようになると、音楽の表現が格段に充実してきますし、楽器の響きも持続しますので、良いことずくめだと思いますね。
# by violink | 2010-06-27 22:29 | Vibrato

Christine Walevskaのコンサート(6/6)

皆さん、ご無沙汰しています。
ご無沙汰している間にも、毎日多数のアクセスをいただき、ありがとうございます。

久しぶりにブログを更新するのですが、それはあるコンサートでの気づきからです。
タイトルにあるコンサートがそれです。

Christine Walevska(ワレフスカ)というチェリストをご存じでしょうか?
そう言う私も、先月までは知りませんでした。ネットで簡単に検索できますので、
プロフィールなどの紹介は割愛しますが、往年の巨匠のスタイルを彷彿とさせる演奏は、
チェロを聴いたというよりも、音楽そのものを目の当たりにしたと言った方がよく、
彼女の音楽観、人生観というようなものが伝わってくるような演奏でした。

youtubeでも、彼女の演奏を聴くことができます。

さて、気づきとは何だったか。。。

それは、一言で言うならば、楽器一つで表現できる世界の如何に広大であることか、
ということに尽きます。楽器から音を出すという作業とは別次元のところに、音楽を表現するということがあると思います。

個々の音楽作品に何を感じ、感じたものをどうしたいのか。
その内なる自分の思いに耳を傾けて、それが、表現したい、伝えたい、という思いに至るとき、生きた演奏が可能になるのでしょう。

そのような「生きた演奏」を目の当たりにして、小さなバイオリンという楽器の持つ可能性を、改めて教えられたような気がします。

とても素晴らしい演奏会でした。
# by violink | 2010-06-12 22:40 | Concert

佐藤俊介のパガニーニ Part III

さて、前置きが長くになりましたが、CDを聴いての感想を簡単に書いてみたいと思います。

なによりもまず、ガット弦の音の広がりの良さが感じられました。新作の楽器だからか、音のきめ細かさとか、凝縮された感じはあまりないのですが、恐らく巻き線の弦よりも響きが豊富だと思いました。また、音がより自然に弓の動きに付いてくるという感じがしたことと、左手の指をしっかりと押さえなくても音になりそうな感じがしました。

当時のパガニーニの再現という意味合いもあるのかも知れませんが、それを措いても、サウンド的には面白いアプローチだと思いました。

それから、マイクが近い。佐藤さんのブレスや、指板を叩く音が聞こえてくる近さですね。ブレスの取り方は表現に直結することですので、佐藤さんがどのようにブレスを取っているのかが分かって、興味深いですね。ブレスの取り方という以前に、呼吸をきちんとせずに(=深く息を吸わずに)演奏してしまうことが多い僕には、反省点でもあるのですが。。。

後は、テクニックを聴かせるための作品、と捉えたときに、どのように表現すれば効果的なのか、ということが考え抜かれた演奏だと思いました。実は、この作品(カプリース作品1)は、テクニック的に難しいからか、きちんと弾けていることだけが伝わってくる演奏が多いです。聴いている人が思わず吹き出してしまうような、そのような滑稽さというか意外さというか、そのような部分まで「見せて」いる演奏は、多くはありません。が、佐藤さんの演奏は、そのような聴かせ方を意識していると思いました。

曲毎にも、フィンガリングとかニュアンスとか、いろいろと気づいたことはあるのですが、人それぞれだと思いますので、ここでは省略します。如何に楽に弾けるかは、脱力ももちろんですが、フィンガリングに相当依存すると思うので、これからも研究していきたいと思います。

Ruggiero Ricciが弾くこの作品のDVDが出ているのですが、しばらく前にそれをビデオで見たときに、「この人はなんと楽々この曲を弾くのだろうか。。。」と驚嘆したことがあります。そのようなアプローチをとりながら、僕自身もこの作品をじっくりと眺めてみたいと思いました。そういうモティべーションを与えてくれた演奏でした。

<本日の楽器>Giuseppe Lucci 1965
佐藤俊介のパガニーニ Part III_a0009913_3371047.jpg

# by violink | 2009-07-13 01:13 | My Feeling

佐藤俊介のパガニーニ Part II

パガニーニは、当時、どのような演奏をしていたのでしょうか。

このテーマについては、往年の巨匠Ruggiero Ricciが、"Ricci on Grissando"というタイトルで本を書いています。主として左手のテクニックについて、シフティングでの親指の役割や、同じ指で続けて音をとるフィンガリングのことなどが書かれています。

当時の演奏スタイルに思いを馳せるよすがになるだけでなく、現在の常識的なシフティングやフィンガリングよりも、楽に演奏できる方法があることが分かり、とても興味深いと思います。

それにしても、カプリースひとつとってみても、彼の作品は、明るくシンプルなメロディーと、超絶技巧の部分が随所で交錯していて、超絶技巧だけにこだわると、メロディーのシンプルな美しさが犠牲になってしまうように思います。

その超絶技巧についても、確かに難しいことには違いがないのですが、彼が、このような超絶技巧を随所に盛り込んだ作品を書いた意図として、やはり、彼が出てくるまでは誰もやらなかったことを披露することで、聴衆を喜ばせるエンターテインメントの要素があるのではないかと思います。

バイオリンでこんなことが出来るのか!という新鮮な驚きと、何やら細かいことをネチネチとやっている「作業」の不思議な滑稽さとが入り交じって、当時の聴衆は大いに楽しんだことでしょう。

僕は、そのような要素を、パガニーニの演奏に期待します。
この点で、佐藤俊介のカプリースには、とても楽しめる部分が多くありました。

中には、僕が彼ほどの技術を持っていたならば、ここはこうしただろう。。。という箇所もあります。バイオリンを弾く人は、このような聴き方をするのも楽しいですよね。

<本日の弓> Joseph Fonclause
佐藤俊介のパガニーニ Part II_a0009913_3412879.jpg

# by violink | 2009-07-05 21:47 | My Feeling

佐藤俊介のパガニーニ

もう既にお聴きになった方も多いかも知れません。

佐藤俊介は、デビュー盤のイザイの無伴奏ソナタの演奏を聴いて以来、
僕の最も気に入っている演奏家の一人です。

その彼が、(裸の)ガット弦を張った新作の楽器で演奏したカプリースのCDをリリースしたので、早速、聴いてみました。

ドラマとか映画とか、何度も見直すと、その都度画面のどこかに新しい発見がありますよね? それだけ、人間の感覚はどこかにフォーカスしがちで、全体を捉えにくいものだと思います。

これは彼のカプリースにも当てはまると思います。既に10回以上聴いていますが、
そのたびに、新しい発見がありました。

一言で言うならば、恰も見慣れた名画の、作曲当時のビビッドな色彩感が再現されたという感じです。そこには、こうであっただろう、こうでありたい、という演奏家の思いも当然入ってくるはずなので、パーツ毎には好みに合う合わないがあるかも知れません。

詳しくは、いずれの機会に。。。

<本日の弓> Etienne Pajeot (school)
佐藤俊介のパガニーニ_a0009913_3442293.jpg

# by violink | 2009-06-25 06:30 | My Feeling